【剣盾S31 最終40位/R2010】空亡ネクロダイナ
どそです。
今回人生初となるレート2000↑を達成すると同時に初の最終2桁を獲得することができました!
その際に使用していた構築の記事を作成致しましたので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
よく〈ダイナネクロ〉と称している方が多い印象を受けますが、個人的な好みを重視して〈ネクロダイナ〉と表記することに致します。
ダイナネクロ警察は回れ右をしてください!
【レンタル】
ご自由にお使いください。
【成績】
TN どそ 最終40位 最高&最終レート2010
【構築経緯】
❶
ザシアンに対して後投げが効く禁止伝説を軸にして構築を組みたいと考え、現ルールで使い慣れている『日食ネクロズマ』を選択した。(以下、ネクロズマと称する)
❷
これまで禁止伝説ポケモンに厚い選出をする一方で一般のポケモンの方にまで手が回らないケースが多く、今回はそんな一般ポケモンに対して幅広く対応できる構築を目指し、選出択を減らそうと考えた。
そうした考えのもと相方を模索する中から、様々な一般ポケモンに対して強く、『こだわりメガネ』を持たせることで多くの相手に上から瞬間的に超火力を押し付けられる『ムゲンダイナ』に興味を持ち、実際の使用感も良かったことから継続して運用していった。
❸
この並びが強烈に誘うテッカグヤに対して明確に強く、ランドロスを意識した地面タイプの一貫切りを兼ねられ、ダイマックスアタッカーとして動かすことで相手の〈イベルタル+ザシアンorネクロズマ〉や〈ホウオウ+ナットレイ〉を筆頭に様々な並びに刺していける『サンダー』の採用を決定。
❹
自身が勉強を兼ねて〈ザシアン+カイオーガ〉に触れつつこれらの2体を選出していた際に、相手の〈HB日食ネクロズマ+カイオーガ受け〉の並びを相手取るのが厳しいと感じ、この要素を自身の構築に組み込んで上記の並びに対して強く出ようと考えた。ムゲンダイナはアタッカーでの採用となるので新たに受け駒を採用するわけだが、今回は水タイプが無効という耐性によって相手のカイオーガから安定択を喪失させる働きを評価し、『トリトドン』を選択した。
❺
構築全体で火力面が特殊に寄っており、相手のラッキーによる詰みを防止する為に高火力物理アタッカーの採用が望ましいと感じた。悪ウーラオスやエースバーンといった様々なポケモンを試した中、最終的にはシーズン終盤に増加したイベルタル軸に対して強く出られる性能を持ち、『きあいのタスキ』を盾に多くの禁止伝説と殴り合える『ガラルヒヒダルマ』を採用した。(以下、ヒヒダルマと称する)
❻
黒バドレックスの対策が必要不可欠であり、そうして白羽の矢が立ったのはゴーストタイプの一貫切りを兼ねられ、『トリックルーム』による切り返しが強力な『ポリゴン2』。有象無象の一般ポケモンに対して幅広く対応を効かせられる点も採用の決め手となった。
以上の6体で構築が完成した。
【コンセプト】
★ 対面的に動ける要素を取り入れたサイクル構築
★ 状況に応じて最善の崩し、詰ませの手段を選択する
【個別紹介】
日食ネクロズマ
現ルールの相棒枠。
様々な型を試したが、その中から圧倒的な対応力の高さに魅力を感じた『じゃくてんほけん』と『コスモパワー』を搭載した型に落ち着いた。火力アップアイテムを持たないホウオウに対して居座り可能となったり、苦手なイベルタルや黒バドレックスの攻撃を耐え、返しの攻撃で倒すといった選択を取りやすい。積んでいない状態でもダイマックスで不利対面を覆せるのが強かった。
こちらのムゲンダイナが相手のザシアンに『ダイマックスほう』を無効化された際や、メタモンにコピーされた際の引き先になれる。稀に『きあいのタスキ』を持った個体がそのまま突っ込んで『かえんほうしゃ』を押してくる場合がある。要注意。
急所や状態異常による負け筋が付き纏う点や、ラッキーの後投げが成立してしまうといった難点がある為、流れが悪い時は本当に凄まじい事が起こる。😇
長らく使っているという事もあり、今シーズン序盤に念願の色違いをゲットした。ムゲンダイナと色合いがマッチしており、とてもカッコいい。
ムゲンダイナ
耐久型での採用も視野に入るが、前述したネクロズマとの役割を分ける他、2体の並びに一貫しているランドロスを誘って倒すべくアタッカーでの採用に至った。
この並びで結果を残したムゲンダイナは耐久に寄せた型が多く、ムゲンダイナ特有の〈型の匿名性〉と併せて相手に型の誤認を誘う狙いがあった。耐久型と見誤った相手を一撃で落とすのは爽快である。
この型では珍しいであろう『どくびし』の搭載理由は、攻撃技のみの構成ではラッキー、ハピナスに負荷をかけられない問題を嫌った為である。これによってサイクルの中でムゲンダイナやサンダーでの突破が実現可能となり、受け系統を崩すひとつの手段として用いていた。技を拘っている都合により頻繁に撒けるわけではなかったが、隙を見て1回でも撒くことで想定外の削りを与えられる。逆も然り、『どくびし』を見せた後に超火力を押し付ける動きも面白い。
『どくどく』ではない理由としては、どの対面でも最低1回の選択で負荷をかけられる他、『しぜんかいふく』で治る度に撒き直す手間を排除すべきだと判断した為。受け系統が相手であれば2回撒く暇はそれなりにある。
汎用性を落とすことなく2通りの崩す手段を用意できるので、是非一度試してみてほしい。もしも既に使っている型がいらっしゃったらごめんなさい。
サンダー
最強ポケモン。
第二の軸と言っても良いほど高いパワーを保有しているが、どちらかといえば補完的な役割を持って加入している。通りが良い構築に対しては積極的に選出し、圧巻の強さを見せてくれた。
先発でダイマックスを切って攻めていく展開も可能だが、基本的には後発から通す機会が多く、終盤の詰め筋として機能していた。
前述したムゲンダイナの『どくびし』を絡めた動きで受けを崩す際にも選出する機会があり、そのまま全抜きを狙う、もしくは削りを入れた後に『はねやすめ』でTODを行っていた。
トリトドン
『ぜったいれいど』は避けることで対策とする。
どうしてもカイオーガに何度も圧をかけられてしまうが、『あくび』で試行回数を抑えたり、時にはダイマックスを切ったりと、なるべく運負けのリスクを最小限に抑えるよう心掛けた。
カイオーガ軸以外に選出する機会は殆ど無かったが、対〈ザシアン+カイオーガ〉において水タイプの一貫を切れるだけでなく、ザシアンに対してもダイマックスで抗える点が偉かったりと、上記の並びに対する勝率確保において重要な役目を果たしていた。
持ち物は『いのちのたま』を持ったカイオーガに対して即座にHPを確保できるよう『オボンのみ』を選択。
ガラルヒヒダルマ
最終日のMVP。ヒヒダルマのおかげで今回の結果を勝ち取ることができたと言っても過言ではない。このポケモンを投入してから目に見えてイベルタル軸への勝率が向上していった為、この変更は正しかったという見解である。
努力値配分はマンムーの『じしん+こおりのつぶて』を耐える調整となっており、〈イベルタル+ザシアン+マンムー〉のような並びに対して初手に置きやすい。参考元は以下のリンクである。
【S27 最終21位 最終レート2070】イベルネクロ壁サイクル - さにーの構築置場
本構築はラッキーが非常に重い構成となっている為、弱点を突ける『ばかぢから』は必須であったと考えている。しかしながらA特化であっても時折耐えられる件については目を瞑るしかなかった。
最近YouTubeでも紹介されていた『ゆきなだれ』が本当に強い技であり、ダイマックスを切ったイベルタルへの切り返しとなる程に火力が高く、選出や立ち回りの幅を拡げることにも繋がっていた。レート2000チャレンジではこの技が決め手になったりと、多くの試合での勝利に直結していた。
一昔前に自己最高レートを大幅に更新した際にも構築にいたので、何かと縁が深いポケモンである。
シーズン終了後、特防に努力値を振っていなかったことが発覚…。実戦で影響する機会は殆ど無いとは思うが、レンタルにて修正済。
ポリゴン2
ほぼ毎回構築に加入している気がする。
上位で結果を残した方の記事を見て、そのまま真似をした『トリックルーム』だが、この技で黒バドレックスの足を奪うことにより、裏のポケモンでも対応が効きやすくなった。鈍足であることが弱点のネクロズマとの相性も良く、後手に回りがちなプレイを緩和できていた。
黒バドレックスを対処する一例を2パターン記す。
❶『きあいのタスキ』を持った個体の場合
受け出しのタイミングで『わるだくみ』を選択されても『トリックルーム』→『イカサマ』と動き、ポリゴン2が倒されても残りのHPは裏のポケモンで充分削り切れる。
❷『こだわりスカーフ』を持った個体の場合
基本的には『トリック』を選択されない対面を作りながら立ち回る必要がある。万が一押し付けられた場合における処理方法の一例として、現環境の黒バドレックスは素早さの実数値を落とした個体が一定数存在しており、少しの削りを入れることで此方のムゲンダイナで縛るといった動きが可能である。
黒バドレックス対策としては安定しない部分もあるが、上記で述べたようなポリゴン2独自の性能や立ち回りを実現できる点を優先し、最後まで使い続けていた。
【選出・立ち回り】
vsバドレックス+ザシアン
@1
相手はネクロズマ、ムゲンダイナ、ヒヒダルマに出し負けたくない選出をする傾向にあり、一番多く初手に出されたのはバドレックスであった。その為ポリゴン2を初手に合わせる展開が通りやすかったが、サンダーやヒヒダルマを初手に置く選出をしても良いだろう。多くの場合はネクロズマでのダイマックスや、隙を見て『トリックルーム』の展開を目指す。
vsイベルタル+ザシアンorムゲンダイナ
or + or +
イベルタル相手にサイクルを回すことは不可能なので、ムゲンダイナかヒヒダルマ始動で対面的に動いていた。イベルタルにダイマックスを先に切らせることができれば後のサンダーが通りやすい。マンムーがいる場合は優先的にヒヒダルマを初手に投げる。
vsザシアン+カイオーガ
or +
雨下でザシアンにネクロズマを後投げする行為は強くない為、ムゲンダイナやサンダーで攻撃的に立ち回るなり、早急にカイオーガを処理する動きを取りたい。カイオーガ以外の取り巻きを倒せた場合はトリトドンで詰めるルートを視野に入れる。
ゴチルゼルが同居している場合トリトドンは選出せず、ムゲンダイナ、サンダーを中心とした対面選出を行う。
vsホウオウ+ナットレイ
ホウオウを起点にネクロズマでの全抜きが可能であるが、ナットレイと一緒に選出された場合は『やどりぎのタネ』+『みがわり』でTODを成立させられてしまう展開には注意が必要。その場合は、相手に一貫しているサンダーを通すルートを考える。バドレックスが同居している場合はポリゴン2やヒヒダルマを絡めた選出を行う。
vs受けループ
or +
初手はヒヒダルマかムゲンダイナから入り、勝利までの流れとしてヒヒダルマやサンダーで殴り、数的有利を得る事が目標。ネクロズマは『ちょうはつ』を持ったアーマーガア、エアームドで機能しなくなるのでクッションとしての役割が強い。相手にムゲンダイナを選出されなければ『どくびし』を設置し、こちらのムゲンダイナやサンダーが受からない状態を作り出すのが理想的な展開。相手の並びや選出次第によって崩しが可能だったり不可能だったりするので、勝率は5〜6割程。
その他
@1
多くの場合は初手のムゲンダイナで荒らし、刺さっていそうなポケモンを裏に控えさせるのがベターな選出だった。時折ネクロズマを初手に置くことも。
ムゲンダイナ初手置きの安定感が凄い。
【苦手な相手】
ルギア ルナアーラ
明確な処理ルートを確立できていない。殆どの試合で負けたので、今後流行ると非常にまずい。
ラッキー
ムゲンダイナとサンダーがいるおかげか高確率で選出される為、見たらヒヒダルマを必ず選出しなければならない。『でんじは』『うたう』『あまえる』何もかもが刺さる。
こちらもラッキーと同様の理由により高確率で選出される。ネクロズマの回復量を下げられてしまうのも厳しい。
壁展開
止める手段が無いのでやりたい放題。
悪ウーラオス
誰も受からない上に悪タイプが一貫している。ムゲンダイナとサンダーの圧力で来ないで〜と祈っていた。
【後語り】
6月19日に瞬間1位を達成することができたりと、自分の成長を実感すると共に充実した月として締め括ることができました。
この時点でレートが1975だったのですが、ここから2000を超えるのに125戦かかってしまうとは思いもしなかったです…。最終日直前になるまでの1週間、ずっと勝って負けてを繰り返してレートだけがズルズルと溶けていったのでここまでかと思ってしまう時もありましたが、諦めずに戦い続けたおかげでなんとか今回の結果に辿り着くことができました。
今回のネクロダイナ構築は5月中旬に原型を作り、その月は最終結果こそ奮わなかったものの、使い始めてから爆勝ちを重ねることができたポテンシャルを信じて最後まで使い続けていました。苦手な黒バドレックスが多い中で本当によくやってくれたと思います。ビジュアル、中身共に自分好みなものに仕上がって大満足の構築になりました。
これからモンハンの世界へ旅に出るのでポケモン対戦からは暫く身を引きます。改めて、新作が発売される前に長年の目標を達成できて本当に良かったです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
【剣盾S28 シングル】青天霹靂イベルネクロ【最終254位】
どそ と申します。S28お疲れ様でした。
本気で目指していたレート2000は今期も達成できませんでしたが、振り返りと反省の意を込めつつ2ヶ月に渡って練ったイベルネクロ構築を紹介させていただこうと思います。まだまだ改善の余地がありますが、少しでも参考になれば嬉しいです。レンタルを公開していますので興味のある方がいらしたら是非。
【成績】
TN どそ 最高レート 195×
最終レート 1923 最終254位
【構築経緯】
遡ること2月上旬。新ルールが始まり様々な禁伝の組み合わせが発案される中、私はやっぱり…
という訳で「イベルタル+日食ネクロズマ」の並びからスタート。環境の状態はさておき…。公式大会で大活躍だったこともあり、とにかくまた使いたいという欲求に駆られた。
最初のシーズンという事もありどのように構成を固めたら良いか分からない為、ひとまず主軸となる禁伝2体に引けを取らず何かしらの特筆すべき強みを持ったポケモンを中心に固めることにした。
まずはイベルネクロを握る上で最も厄介な存在となるのがカイオーガであると感じた為、カイオーガの型に依存しない且つ相方に多そうなザシアンにも上から強い圧力をかけられるレジエレキと、水の一貫を切るだけでなく雨にタダ乗りした「エラがみ」が崩しとして非常に強力なウオノラゴンを採用。
残りの枠はイベルネクロで重いウーラオスに強く、ここまでで処理が難しいトリトドンに対して「あくび」を遮断しつつ「ちょうはつ+しぜんのいかり」で崩しを行えるカプ・レヒレ。最後に電気の一貫を切りつつ物理方面に後投げが可能且つ、「つるぎのまい+ダイジェット」で全抜き態勢への転換が可能な霊獣ランドロスを採用した。
➡
相手のイベルタルやサンダーに対する立ち回りに不安が残ると感じた為、まずはイベルタルに対してタイプ上強く、レジエレキとカプ・レヒレが持つ役割を圧縮できると考えカプ・コケコを新たに採用。もう一枠には選出画面に存在するだけでカイオーガの選出やサンダーの初手ダイマックスを強く抑制できるラッキーを投入した。
➡
上位へ行くにつれてカイオーガ自体にラッキーが誘殺される展開が発生したり、そもそも出しにくいような印象を受ける並びが多く見受けられた。それ以外にもランドロスやマンムー、ジガルデが重いと感じていた為、これらに纏めて対応が利き、サンダーの初手ダイマックスを抑制する役割を引き続き賄えるポリゴン2をS27の終盤から使用し始めた。
(とは書いたものの、ポリゴン2に変更してから初手ダイマックスを仕掛ける珠サンダーに時折遭遇するようになった。)
2シーズンを通して約1ヶ月ほど上記の6体で試合をこなしていたが、環境に多く蔓延る「オーガザシアン+サンダー」のような並びに対して選出択を解消できず、イベルネクロが動かしにくいことも相まって殆どの試合で「後手に回る選出・立ち回り」を余儀なくされる課題が浮き彫りになっていた。こんな欲張った難題を解決できる一般ポケモンなんているわけないと割り切っていたが、ある日突然脳に電流が走った…
「やあ!」
彼は疾風迅雷の如く脳内に現れた。オーガザシアンへの答えは最序盤に出していたのに何故今まで彼を忘れていたのだろうか。
➡
周りのポケモンで相手の地面タイプを排除できれば上記の並びをまとめて破壊できるスペックがあると確信した為、S28の終盤に再度レジエレキの採用に至った。一方でイベルタルに対して受け出せる駒の減少、トリトドン等からの「あくび」への対抗策が無くなる形になったが、オーガザシアンよりはまだ対応が楽だろうと多少割り切って考えることにした。
(最終日付近にマッチングしたイベルタル軸には殆ど負けた気がする。)
以上の6体で構築が完成した。
【コンセプト】
★ 一貫を作って攻め駒を通す
★ デバフを駆使して立ち回る
【個別紹介】
イベルタル
本構築のエース。ミミッキュやウーラオスに先手で動きたかったので最速。
とりあえずで採用した型であるが、サイクル構築の中で運用する上で「いのちのたま」の反動ダメージがどうしても気になってしまう場面が少なからずある。しかしながら試合を数多くこなし続けている内に、ダイマックスを切った際の破壊力に何度も救われていることに気付かされた。これにより最後まで型の変更には至らず、主軸となるこのポケモンに最大限のパワーを保つ形となった。
技構成は「あくのはどう」「デスウイング」までは確定とし、ザシアン入りに臆さず選出する為の「ねっぷう」も優先的に採用。4枠目の「はねやすめ」は、「ダイウォール」の媒体になるだけでなく相手の耐久に依存しない高速回復技の搭載によってサイクル加入のしやすさが向上する。例えば相手の「黒バドレックス+バンギラス」のような並びに対して、「アストラルビット」へ受け出し後に回復したいがバンギラスに受け出されては「デスウイング」だと満足に回復できない問題を自然に解決させることができる。この場合は状況によって取るべき選択が変わってくるが、そこは臨機応変に対応していく。その他には数回発生した程度の話であるが、相手のチョッキイベルタルにPP勝負で勝てるようになったりする。
普段初手ダイマックスをする機会は殆ど無いが、イベルタルの通りが良いような構築には初手からダイマックスを切って一気に勝負を決めることもあった。
プレシャスボール入りの色イベルタルって最高に惹かれるシチュエーションしてるよね。
日食ネクロズマ
ずっと珠イベルタルで固定していた一方でネクロズマは様々な型を試しては迷走を繰り返している。瞑想だけに迷走
「たべのこし」は場に居座り続けることで回復技を押すターンを減らせたり、受け出し際にザシアンから「インファイト」を打たれたり「ステルスロック」が絡んでくる場合においても、次のターン落とされる乱数から外れることができて非常に強力だった。
ハマる時はどんどん積んで相手を詰ませることができたが、積んでいる暇がない場面も意外と多く、そういった際に鋼が通らない相手に対して瞬間火力を出せる「フォトンゲイザー」は便利であった。
今期は「アッキサンダー」の影響からか「つるぎのまい」を搭載したザシアンが数多く見受けられた為、ダイマックスを強要させられやすかったのは向かい風だったように感じる。
相方がかなりダイマックスに依存した型である為、こちらはダイマックスを切らなくても強く動かせる型であることが望ましかった。そういう点においてもダイマックスを切らないとB上昇が行えないようにしたのは失敗だったかもしれない。
それでも尚「めいそう」を採用した理由は以下の3点。
★ 積んだ回数が少なくとも「フォトンゲイザー」によって即座に火力が出せる
★ ムゲンダイナに「マジカルフレイム」を連打されるだけで突破が不可能になるケースを避ける
★ 火傷や「まるくなるポリゴン2」等の物理方面からのメタを回避できる
ムゲンダイナの処理ルートを他に確保することができれば恐らく「コスモパワー」を駆使した型が強い気がする。先ほど述べた「剣舞ザシアン」に対しても、対面からであれば「コスモパワー」を積むことでダイマックスを強要させられなくなる他、「イカサマポリゴン2」にダイスチルを打つ必要が無くなる。
これは個人的な持論であるが、ザシアンを意識したHBベースのネクロズマは「りゅうのまい」を積んでも少ない回数では上をとれる相手が限られる為、味方の補助無しで動かすのであれば持ち前の耐久を底上げする型が強いのではないかと思う。
ポリゴン2
重いジガルデや今期から環境に増えた黒バドレックスをイベルタルと併せて対策する駒。サンダーやランドロスを筆頭に多くの一般ポケモンを一体で広く浅く対応を利かせられる為、自然と選出枠の圧縮に繋がっていた。
他のポケモンとの相性の良い「でんじは」や、ジガルデに安定するようになる「まるくなる」が欲しい場面は多くあったが、前述したネクロズマが「ジオコントロール」への後出しからではゼルネアスに勝てない問題を解決できる「かいでんぱ」は個人的には必須級の技であった。ポリゴン2だけではサンダーの突破が困難である問題も、この技でデバフをかけることによって他のポケモンでの対応が可能になる。「ぜったいれいど」が無いホワイトキュレムやHPが削れたカイオーガの他、初手ダイマックスをされると厄介なディアルガを流せるのも優秀だった。
珠サンダーにギリギリ対応できるのがポリゴン2しかいないのは構築単位で厳しいポイントだった。稀に当たるC特化の個体は受からない。
霊獣ランドロス
汎用物理受け。当初は「オボンのみ」を持った剣舞型で運用していたが、
★ 抜きエースとして動かすよりもシンプルなクッションとして投げる機会の方が圧倒的に多かったこと
★ イベルネクロで重いガオガエンの動きを制限したい点や、バンギラスをイベルタルの圏内に押し込みやすくなるようにステルスロックが欲しい
等の理由から現在の型への変更に至った。
ザシアンに威嚇を撒きつつ「ゴツゴツメット」による削りを入れることで、イベルタル、レジエレキ、ウオノラゴンの射程圏内に押し込めるようにしている。半面HP管理が難しくなった為、ゼクロムやエースバーンがいる構築に対しては慎重にHPを管理する必要があった。
ホウオウに対してウオノラゴンを選出する際に「せいなるほのお」へ後投げしたら一発で燃えて役割が遂行できずに負ける試合があった為、一旦ランドロスを着地させてから「とんぼがえり」でウオノラゴンを無償着地できるようにしたのは良い変更点であったように思う。尚、無振り同士だとランドロスが先手をとってしまうので、Sの数値は下げても良いかもしれない。
レジエレキ
構築に入ってすぐ抜けたと思いきやまた戻ってきたポケモン。
レジエレキが再加入するまでに抱えていた問題として、
★ 「オーガザシアン」に一貫しつつダイマックスを切って強いポケモンが不在である為、カイオーガにダイマックスを切られてウオノラゴンが突破されるとそのまま負けに繋がりやすい
★ ネクロズマもランドロスもいない盤面が発生すると速いザシアンに上から殴られるだけで負ける
以下の2点が挙げられていた。
上記の問題を解決に導けると思い実際に動かしてみて、地面タイプや「きあいのタスキ」を持ったポケモンを処理した盤面が整うことによってレジエレキが一掃して勝つような試合も少なくなく、使用感は花丸だった。
カイオーガの対策を考える上でトリトドン等受けポケモンの採用を考えていたが、珠アタッカーや「ぜったいれいど」を持った個体が台頭しつつあり安定はしないだろうと思い、攻める方向性での対策を考案したのは良かったように思う。
「とつげきチョッキ」のケアをしつつカイオーガへのダメージ量を意識し、物理主体での採用。(これはカプ・コケコを使用していた際にカイオーガに対して「10まんボルト」が悲しくなる程度のダメージしか入らなかったことが少なからず影響している。)これにより「しんそく」のダメージが伸びるのもポイントが高い。
レジエレキが受からなくなった相手に対してダイマックスを誘発する力が非常に強く、且つお互いにダイマックスを切り合うことで相性関係が逆転してしまう場合も起こり得る為、そこに「みがわり」を置くことで安定した立ち回りを実現することができた。速いポケモンの「みがわり」はシンプルに偉い。
ウオノラゴン
自分がカイオーガを握っていた際に断トツで嫌だったのがウオノラゴン。いざ味方になってくれるとバグレベルで心強かった。
レジエレキの苦手な地面全般に強く、攻めの補完に優れている。更に選出段階でトップクラスに圧力が強いメンバーで固まっている為、相手の選出が読みやすくなるのは試合展開を組み立てる上でとても役に立った。
カイオーガを意識して「とつげきチョッキ」を持たせていた時期があったが、水技に受け出したところで次の攻撃が何も受からなかったので、素直に「こだわりスカーフ」を持たせて役割対象を広げることにした。ウオノラゴンミラーと遅いザシアン意識で最速にしている。
「いかりのまえば」は「ちょすいガマゲロゲ」を削るのに重宝していた。ダイマックスを切った際の「ダイアタック」も強い為、ノーマル技を採用するのであれば是非組み込みたい技だと思う。
様々な補助技を試していたが、カプ・コケコが離脱したことによって構築に睡眠耐性が無くなってしまった為、「ねごと」を採用して技ガチャを制するべく攻撃技を2種類に絞った。試行回数が少ない関係も多少含んで実際に活用できたのは一度だけだが。当初から相手のウオノラゴンに対しても「エラがみ」しか押すことがなく、ヌケニン入りに選出を渋るくらいで殆ど困ることはなかった。
【選出・立ち回り】
vs
or
イベルネクロを握る上で一番厳しいと思われる相手。禁伝に厚い選出をすると一般枠の珠サンダーや珠ランドロスで崩壊する可能性まで考えると選出択になってしまう。ネクロズマに「ばんのうがさ」を持たせて対策を練ろうともしたが、最終的にはネクロズマを選出せずに勝つ方法を模索することにした。
初手にイベルタルを投げてザシアンと対面したらランドロスに交代、カイオーガと対面したらダイマックスを切るかウオノラゴンに交代。あるいは禁伝を選出せずに一般ポケモンだけで戦う。
具体的な例を挙げるとガマゲロゲがいたら初手にイベルタルを投げ、一般枠のみで戦う場合はレジエレキかウオノラゴンのいずれかから入る。
最低限の引き先を用意して対面的に動くことを心がけ、最終的に誰を通すかで勝ち筋を考える。
レジエレキを投入してから一般ポケモンのみの選出で綺麗に勝てた試合があり、1人で感動していた。
vs
@1
カプ・コケコが構築に入っていた当時はある程度有利に立ち回れていたが、レジエレキを投入して以降は少し怪しくなった相手。
先にこちらがダイマックスを使ってしまうとまず勝てないので、なるべく後発からダイマックスを切りたい。ネクロズマvsイベルタルの対面が出来上がると一気に大変なことになりがちだった。
vs
or
比較的有利なマッチング。個々の体力管理を怠ることなくバドレックスに悪いタイミングで積まれることが無ければ、勝率はかなり高い方だったように思う。
ガオガエンがいてネクロズマが動きにくいと感じた場合や、イベルタルを通したいもののバンギラスが重いと感じた場合はランドロスを選出する。
その他の相手に対しては大体 @1の選出で問題なかった。どちらかの通りが悪い場合は一般ポケモンを2体選出しても十分戦えるようになっている。あくまで一例として参考までに。
【後書き】
現ルールが始まってから久しぶりにガッツリ潜ってみましたが、改めてレート2000への道が遠いと痛感せざるを得なかったです。常に最上位帯で戦っている方は本当に凄すぎます。マジで。これを毎月のようにやっている方もいるんですよね…😇
本気で上を目指すのであれば1ヶ月間の自由時間を全てポケモンに捧げるくらいのつもりでないと厳しいかもしれません。別ゲーのイベントが同時期に絡んでしまって…
強い方との対戦はやっぱり楽しいですね。このルールが開催されているシーズンのどこかで2000を獲りたいのでまた頑張ろうと思います。長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました!
【SpecialThanks】
色イベルタルを貸してくださったぜる君
最終日に応援してくださった琥珀ニキ
配信を観に来てくださった方々
マッチングした全ての方々
最後まで読んでくださった貴方
【レジェンドオブラウンド】異端な英雄と円卓の魑魅魍魎【最終117位】
どそ と申します。先日食べた月見バーガーがめちゃくちゃ美味でした。まだの方は是非。
今回は、伝説、準伝説、幻のポケモンのみが使用可能という異質なルールのもと開催された公式大会『レジェンドオブラウンド』にて使用した構築を紹介させていただきます。是非、最後まで目を通していただけると嬉しいです。
成績
最高&最終レート1711 117位
構築経緯
❶
ドラゴンタイプが多いプールであるものの、水技が一貫した後のスイープ性能が禁止伝説級ポケモンによる数値の暴力をも凌駕するカイオーガに着目。過去のランクバトルで共に上位を目指した経験もあり、本大会で再び一緒に戦おうという思いが後押しとなった。
❷
サイクル下でスカーフカイオーガを通しやすくするには、「クッション+対面操作」が可能な相方の存在が必要であると考えている。どのポケモンが相応しいか考案した結果、物理方面を雑に誤魔化せて且つ「ステルスロック」によってサイクル、スイープ補助が可能なHBオボンランドロス、特殊方面へのクッション且つ対カイオーガに特化したHDチョッキゼクロムを各々採用した。
❸
マーシャドー、黒バドレックス等といったゴーストタイプへの耐性を持つポケモンが不在な点が気になった為、タイプの一貫を切る条件を満たした上である程度のサイクル性能を保有しつつ、最もポテンシャルが高いと感じたイベルタルを採用した。
❹
ゼルネアスに抗うべく、本ルールにおいて構築に鋼枠は必須であると考えている。候補として挙がったのが常に高火力を出せて且つ、前述したクッションを挟んで相手に強い負荷をかける動きも可能なザシアン、もしくはバフと回復技によって強力な詰め筋となり得る日食ネクロズマ。どちらにするか迷ったが、現状のままでは未だ重めなザシアンやムゲンダイナに対してより強く繰り出せる性能を評価し、日食ネクロズマを選択した。
❺
パワーの高いポケモンが数多く犇めいていることから、相手によってはサイクルを回しにくいケースが起こり得るのではないかと考え、対面的な選出がしやすいよう「きあいのタスキ」を持たせたポケモンを組み込むことにした。そうして白羽の矢が立ったのは、広い技範囲を持っており相手のダイマックスに対して「ダイマックスほう」による切り返しが強い一手となるムゲンダイナ。これにて構築を完成とした。
時間確保を怠った結果、大会が開催されてから突貫工事で構築を作ることになってしまった…
コンセプト
★ サイクルチックな構築でありつつ対面的に動ける要素も取り入れる
★ プレイングで勝負する
個別紹介
カイオーガ
本構築の始点…であるが、選出率は控えめ。
以前と比較すると「こんげんのはどう」から「なみのり」に変更している。限られた試合数の中で、外しによる運負けを極力排除したかった為である。と言いながらも、ゼクロムには「らいげき」を採用しているが。
どんな相手に対しても刺していこうとはしなかったが、選出段階での圧力はトップクラスな為、構築にいるだけで意味があったように感じる。本環境でも水技が一貫した後の制圧力は健在であった。
対面操作が可能なポケモンを選出できなかった場合等、時には釣り交換を用いて繰り出すプレイングを行っていた。尚、有利対面で「しおふき」を押す瞬間だけIQが3になる模様。
また一緒に戦ってくれてありがとう、カイオーガ。
イベルタル
最強のダイジェッター。
どのように動かすか迷っていたが、他に「ダイジェット」が使えるエースが不在であったことから無難な型に落ち着いた。
本環境でもザシアンが非常に多く、ダイマックスを切っても簡単に止められてしまう展開だけは避けたかった為、「ねっぷう」は個人的に必須だった。4枠目は「ふいうち」が欲しい場面もあったが、「ダイウォール」枠の確保兼サイクル加入のしやすさを重点に置き「はねやすめ」を採用。
襷マーシャドーに対して後投げするも、耐久面において若干の不安が募る展開になるケースが多かったので、努力値配分に関してはもう少し考えても良かったかもしれない。
凍らされるも即解除して動いてくれたり、麻痺していながらもダイマックス中の3ターン全て行動して勝ちを掴んだりと、何かと自覚の塊だった。
ゼクロム
カイオーガの相方でありながらカイオーガキラーでもある、本構築の地雷枠。贅沢な伝説ポケモンの使い方。
ここまで特化させることによって、無補正カイオーガの雨「しおふき」を乱数4発、抜群で入ろうが「れいとうビーム」を確定4発に抑えるほどの硬さを誇る。攻撃に4しか振っていないが、元々の威力が高い「らいげき」のお陰でそれなりの火力は出せる。
なるべく後攻で「ボルトチェンジ」を押す機会を増やしたかった点と、ランドロスやグラードンへのダメージ量を意識しつつ「げきりん」による行動制限を嫌い「りゅうせいぐん」を採用し、素早さに下降補正をかけた。
ここまで3枠の技が確定したが、4枠目は黒バドレックスの処理ルートとなる「しっぺがえし」を選択した。技一覧を眺めていたところ、目に止まった勢いで採用した技だったが、ダイマックス時の威力を考えて「かみくだく」でも良かったかもしれない。
初めの内はカイオーガに対して、交代読みで「りゅうせいぐん」や「ボルトチェンジ」を打っていたが、大半が突っ張ってくることに気付いてからは素直に「らいげき」を打って調理していた。
しっかりと活躍させられるか不安であったが、幾度となく勝利に貢献してくれて安堵している。影のMVP。
霊獣ランドロス
ごく普通のHBランドロス。
選出機会は少なかったが、ザシアンやグラードンに対して後投げしたり、デバフを撒いて裏のネクロズマによる詰めのサポートを行っていた。
あまり深く考えずカイオーガとの相性が良い物理受けとしてランドロスを採用したが、実践を重ねていくとジガルデに後投げしても格好の餌にされてしまうのが気になっていた為、この枠はもう少し考察の余地があったかもしれない。
日食ネクロズマ
本構築のMVPであり過労枠。
ザシアンの相手を9割託していたので選出率は断トツでトップであり、結果的にはネクロズマを中心としてゲームプランを組み立てる機会が多かった。
幾ら禁止伝説総出で来られようが、積んでしまえば多くの相手を詰ませることができた。厳しいのは「あさのひざし」の回復量を下げつつゴリ押してくるカイオーガや、エスパーが通らないイベルタルくらい。
急所や状態異常の試行回数を稼がせてしまうので何度ヒヤヒヤしたか分からないが、それを引っ括めても最強の要塞だった。
ここだけの話、脳内で「めいそう」の枠を「コスモパワー」に変更したつもりになっており、実際に繰り出してから技が変わっていない件に気付く形となった。実際に使ってみたところ、B上昇は「ダイスチル」でも十分賄えたのでこれで良かったかも。
ムゲンダイナ
最後の枠に入ってきた、筆者が作る構築にしては珍しい襷持ち。
ムゲンダイナの採用に至った決め手としては、このポケモンは型の豊富さが強みであるという点。その中でも「きあいのタスキ」の全体採用率はとても低く、殆どケアをされないという強さが滲み出ていたように感じる。そのまま突っ張ってくるグラードンや、「とつげきチョッキ」「こだわりスカーフ」以外のディアルガに分の良い確率で対面から勝てるところが良い。
初手に置いて雑に荒らすも良し、「ステルスロック」が撒かれなさそうな場合は後発から繰り出すのも強かった。
如何にもラスボスと言わんばかりの雰囲気を漂わせているので、なんとなく構築の一番下に置いてみた。
要点
★相手のやらせたいことを拒否し、自身のプランを押し通す
カイオーガで分かりやすく圧をかけたり、ネクロズマによる詰ませで如何にこちらのペースに持ち込むかを重点的に考えて立ち回っていた。
★相手からは見えにくい勝ち筋
まず想定されないであろうHDチョッキゼクロム、そして採用率の低い襷ムゲンダイナ。特にゼクロムの場合は相手の特殊攻撃を余裕で耐えたり対面操作から裏のポケモンを展開するといったように、ランクバトルで見掛けるような一般的な型とは思いっきりズレている。汎用性を保ちながら、このようにして相手の認識から外れた形で試合を動かすことができた。
一番多かった選出パターンがこちら
広く対応範囲を確保でき、程よくサイクルも回せて強かった。
苦手なポケモン
ゼルネアス
壁役と組まれている場合や、ダイマックス択に強いゼルネアスマスターの方が相手であるとネクロズマでも普通に負ける。
ジガルデ
対面強く出られるポケモンは存在するものの、裏から繰り出されて不利対面ができた際の「へびにらみ」があまりにも厳しい。クッションとなるランドロス、ゼクロムがジガルデに対して強く出られるわけではない為、気合いの立ち回りが必要になる。
ルギア
完全に盲点だったポケモン。一度「めいそう」を積まれるとイベルタルでも勝てるか怪しく、ゼクロムで麻痺させるかネクロズマでTODを狙うくらいしか方法が無かった。尚、イベルタルやゼクロムで突破しようとした場合「じゃくてんほけん」を持たれていると返り討ちに遭ったりする。
後書き
今回のルールは構築に幾らでも禁止伝説や幻のポケモンを入れられることから、これまで触れた機会がなかったポケモンにも触れられとても新鮮な感覚で楽しむことができました。また同じルールで遊びたいな…。
大会が始まっても構築が出来上がっておらず参加しようかどうか迷っていましたが、貴重なこの機会を逃したくないという事で2日目から参戦していました。これまで経験したことの無いようなド迫力バトル、そして強者の方と良い試合を繰り広げられて凄く楽しかったです。
という訳でここまで読んで頂きありがとうございました! 今後もまた緩く遊んでいきたいと思います。
【スパイクチャレンジ】武の頂は災いと踊る【最終315位】
どそと申します。今回は先日行われた"ダイマックス無し"という特別ルールのもとで開催された公式大会『スパイクチャレンジ』で使用した構築を紹介させていただきます。
成績
最高レート 168?
最終レート 1684 315位 29勝 16敗
構築経緯
❶
シーズン14で使用していた構築をベースにして、本大会の環境に適応した形へ整えることにした。
【剣盾S14 シングル】毒撒き棘玉とまんまるマスコットたち【最終701位】 - どそっともんすたー。
※リンク先にレンタル有り
❷ ➡
まず使用不可であるボルトロスの枠を、同じタイプである点からタイプ補完を崩すことなく、対面操作からウーラオスに繋げられるといった相性の良さを評価してサンダーに変更。ボルトロスが離脱したことによって新たに電気の一貫切りと崩し性能を持ったポケモンが必要であると考え、これらの条件を満たせる駒としてカイリューの枠をガブリアスに変更。カイリューが担っていた物理受けの役をサンダーに任せる形とした。
❸ ➡
原案と同じような雰囲気で ナットレイ+ポリゴン2 のような選出であると、本環境で最も対策必須になると予想していたウーラオスに対して非常に隙を見せやすい。新たに抜擢したサンダーはカイリューの「マルチスケイル」のようなダメージを抑える要素が無い為、原案のようには動かしにくいと感じた。この課題を水、格闘を半減で受けられる要素を見てある程度解消しつつ、ナットレイ同様にウオノラゴンの引き先として機能したり、毒を撒いて優位な立ち回りを形成できるドヒドイデに変更した。
❹ ➡
悪ウーラオスの鉢巻「あんこくきょうだ」に対して受け出すポケモンが水ウーラオスだけでは不安であったことに加え、本大会はウーラオスの対策を手厚くするに越したことはないと考えていた。その為ミミッキュの枠を、「あんこくきょうだ」に対して多少の余裕を持って受け出しが可能であり、特殊方面のエース、詰ませ役として動かせる強さを評価してニンフィアに変更。ミミッキュで対策としていた積み展開は他のポケモンである程度カバーが効くと判断した。
各ポケモンに微調整を加えた上で、最終的にこのような並びで構築の完成形となった。
コンセプト
★ サンダー、ウーラオス入りの構築に対して引けを取らない
★ 様々な崩しの手段を用意する
個別紹介
ニンフィア
【調整】
HB = ウーラオス意識でなるべく高く
S = 遅めのポリゴン2(60族)抜き
本構築のアイドル枠。事前の仲間大会で特に多かったサンダー、ウーラオスの両方に強く、環境のメタとして刺さると考えて投入。後述するサンダー、ドヒドイデと併せることで殆どのウーラオスに対応できた。
受け回し相手にもできれば選出したいと考えていたので、「マジカルフレイム」の枠はハピナスやドヒドイデに対して打てる「サイコショック」の搭載も考えていた。しかしながら後述するサンダーが「ねっぷう」を切ってしまった為、それならば此方でナットレイ等の鋼タイプへの打点は確保したいと考えての「マジカルフレイム」採用となった。「どくづき」や「くろいきり」を持たないドヒドイデを起点にできたらと考えていたが、実際そのような機会はなかった。
ニンフィアは様々な相手に五分かそれ以上で戦えるくらいには強い。しかしながら今回の型は「ねがいごと」や「まもる」を持たずHP管理がしやすいわけではない為、役割を集中させてしまうとウーラオスの受けが成立しなくなるといった事態が起こりうる。そうはならないよう、他のポケモンよりもHPを雑に扱わないことを心掛けていた。
いざ使ってみて「みがわり+めいそう」で詰ませている程の余裕は殆どなかったが、何度か特殊技しか持たないポリゴン2や、その他有象無象の特殊相手を詰ませては EASY WIN を獲得できた。
上記の画像を作成した際に思ったが、ニンフィアの公式イラストめっちゃ良い。
ウーラオス(水)
「ダイジェット」が飛んでこなくなったりカプ・レヒレが居なくなったことで気分が良さそうな最強の熊さん。余程通りが悪い相手でなければ積極的に選出していた。
対サンダーの話であるが、本環境はダイマックスが無いことから回復アイテムを持たない個体に対して麻痺のリスクを最低限に抑えつつ「れいとうパンチ」2発での突破が可能である為、時には麻痺を恐れずに交代読みで「れいとうパンチ」を当ててはそのまま突っ張るプレイングを行っていた。サンダー以外にも水、格闘の双方に耐性を持つドラパルト等への打点にもなり、使用感はとても良かった。その一方で「かみなりパンチ」はマリルリやドヒドイデ意識で搭載していたが、一度も打たなかった。
サンダー以外からも不意に来る「ゴツゴツメット」持ちの相手がつらく、このような想定外の削りによって負けに繋がるケースが度々起こっていた。
沢山使っている内に愛着が湧き、気付いたら格闘タイプの中で一番好きなポケモンになっていた。筆者は水タイプが好きなので連撃を選んだが、技の方は「あんこくきょうだ」派。
サンダー
純粋な物理受けとしては曖昧な立ち位置になっていたが、安全にウーラオスを展開する為の雑なクッション+対面操作役、麻痺や「かいでんぱ」による詰ませ、起点作成役として使用していた。普段のランクバトルでは見慣れない技構成となっているが、ダイマックス無しの環境下で「ぼうふう」を採用する気が起こらなかったのである。
相手のサンダーとの同速じゃんけんを避けられるように敢えて素早さに下降補正をかけたが、本来であれば個体値を下げて実数値119にするのが望ましいか。妥協した。
ドサイドンやマンムー等に対して隙を見せずに行動したかった為、対面操作技は「ボルトチェンジ」ではなく「とんぼがえり」を選択。事前に想定していた通り地面タイプが後投げされるタイミングに併せて「とんぼがえり」からウーラオスを筆頭に後続のポケモンを着地させる動きは柔軟かつ強かった。
本大会は「こだわりハチマキ」を所持したウーラオスが多く存在しており、ダイマックスも不可能であることから誤魔化しが通じない。ウーラオス入りの構築に対してサンダーを選出する際は必ず裏に水技、悪技、氷技を受けられるポケモンを用意していた。
後になってから気付いたが、ゴリランダーに対して強い顔をしていながらも有効なダメージソースを所持していなかった。その為、相手に有効打が無いことがバレてしまった場合「つるぎのまい」を搭載されていたら返り討ちに遭う。幸いなことにそのようなケースは発生しなかったが。
この枠はジバコイルの採用も考えていたが、シリーズ7で一時期使用していた『ウーラオス+ジバコイル』の並びではサンダー、ウーラオス入りの構築に対して動かしにくいと感じており、事前に参加した仲間大会でも同様にサンダー、ウーラオスが多い傾向を見た上で今回は見送りとなった。他のメンバーをうまく纏められていれば採用の余地があったか。
それなりに活躍はしていたが、もう少し考察の必要性があったかも。ジバコイル等の特殊アタッカーにも後投げする機会があったのでもう少しDが欲しかったりした。
ポリゴン2
【調整】
B < D 「ダウンロード」対策
迷ったらポリゴン2で! と言わんばかりに信用していた子。ニンフィアやドヒドイデと組ませることでウーラオス入りにも臆さず選出できた。
原案の特性は「トレース」であるが、今環境下で得られるメリット以上にヒヒダルマ(ガラル)の特性「ごりむちゅう」をコピーしてしまう点がデメリットとしてあまりに大きいと感じた為、火力補強となる「アナライズ」を選択。本環境の中で多くあったケースとして無振りガブリアスを確定1発で倒せるようになる等、恩恵はかなり大きいものであった。
原案にある技構成のままであると、無限に繰り出されるウーラオスに対してダメージソースが不足していると感じた為、タイプ一致で打てる「トライアタック」を採用。これによりウーラオスの後投げにリスクを付けられるようになったり、「みがわり」を盾にして大きな削りを入れることが可能となった。
「イカサマ」媒体の「ダイアーク」を意識した名残で性格が「なまいき」となっているが、「アナライズ」の発動範囲を拡大しつつ、相手のジバコイルに敢えて先手を譲ることで火力を抑えられたり、後攻で「ボルトチェンジ」を打つ算段を狂わせられたりと役に立つ場面があるのではないかと考えてそのままに。「みがわり」を置く前にS種族値が同じか近い相手に上から状態異常を入れられたり、一撃技の試行回数を与えてしまう点に着目すると技構成と数値が噛み合っていないが、それを引っ括めても「みがわり」は本当に偉い技であったので、以下で有用性について述べる。当たらないことで対策とする。
本環境での「みがわり」の有用性は非常に高いものであり、例えるなら
❶ 「みがわり」を置いた状態で拘りアイテム持ちのウーラオスと対峙した場合、技選択を一度確認してから行動できる
❷ 数的有利を取った段階で「みがわり」を即座に割る手段を持たないナットレイやドヒドイデに対してTODで有利になる
等々。❷のケースは想定していたものの実戦では発生しなかったが、❶,❸のケースは実際に発生して役に立った為、採用して良かった技であると心から強く実感した。❶を更に詳しく言及すると、ダイマックスによる強引な崩しが行われないことから択を発生させずに「あんこくきょうだ」で居座ったウーラオスに対して、此方が「じこさいせい」で居座る選択肢をとりやすくなる。「インファイト」で居座られた場合は耐久が下がった状態での「トライアタック」により致命傷を負わせられるに続いて、次のターンはドヒドイデに下げる行動が安定となる。前述したような此方側が居座る行動を考えるならもう少し努力値をBに割いても良かったかもしれないが、相手側は察して一旦下げてくるケースが殆どなので特に問題は無かった。
余談だが、筆者が一番好きな技は「みがわり」。
ドヒドイデ
あまり使った機会がないポケモンであったが、非常に使いやすく安定感の塊であるという感想を抱いた。ポリゴン2と一緒にサイクルを回しまくった子。
「ねっとう」不採用により鋼タイプに対して打点のない技構成となっているが殆ど気にならず、むしろ「どくづき」によって助けられた場面が多くあった。ニンフィアの「みがわり」を沢山剥がしてくれた功績は大きい。
ドヒドイデを全然使う経験が無かったこともあって直前まで「くろいきり」か「トーチカ」にするか悩んでいた。最終的には前者を選択したが、想像していた以上に使う場面が訪れた上に勝敗に直結するケースが多かったので、これで良かったと思う。
マリルリと対面した際に相手側が取る行動は、
❶ 有効打が無いので裏のポケモンに下げる
❷「うずしお」で拘束して「ほろびのうた」で倒す
基本的にこの2通りである為、これに対して両対応となるのが此方も裏のポケモンに引くことである。相手がアタッカーであると分かっていれば居座りで良いが、型が判明していない段階では前述した立ち回りを徹底していた。
サンダーだけにエースバーンの受けを任せるのが不安であったことを含めて採用に至ったわけであるが、本大会中エースバーンは数回しか見掛けなかった上に一度も選出されなかった。想像以上に見掛けなかったのでそんなに使用率が低いのかと思っていたら、エースバーンの全体使用率はまさかの2位。
因みに色違いでないのにLv100の個体を使用している理由であるが、ドヒドイデを思い付いてから仲間大会までに新たな個体の準備が間に合わなかった為である。
ガブリアス
言わずと知れた主人公。本環境下での動かしやすさはかなり良かった印象を受け、中にはガブリアスで3タテする試合もあった。
ドヒドイデを相手に「つるぎのまい」の起点にする機会がとても多く、毒や火傷に対する保険となる「ラムのみ」の採用は正解だった。その他にも、不意の状態異常による負け筋の回避にも役に立った。
「いわなだれ」はサンダーやトゲキッスへの打点として採用しており、サンダーに対しては「スケイルショット」のヒット数に依存せず素早い処理が可能であったが、トゲキッスに関しては全人類が「こだわりスカーフ」を所持させていた為、後投げ後に突っ張ろうものなら即退場させられていた。
炎技が欲しい場面は少なからずあったが、仮想敵となるアーマーガア、エアームド等に対しては前述したウーラオス、サンダーによる対処が可能であることから、そこまで問題視はしなかった。
『カンムリビギニング』で使っていた内のニンフィア、サンダー、ガブリアスが再び集結しており感慨深い。因みに水ウーラオス、ポリゴン2も『ヨロイビギニング』で使用していたので、公式大会で思い入れ深いメンバーが勢揃いしているのだ。
要点
★ 有利対面から高火力の押し付け
攻めサイクルを形成する大きな要素。サンダーの対面操作を駆使しつつ有利対面からウーラオスの圧をかけることで相手に不利なサイクルを仕掛ける。シンプルながら強力。
★ 毒を絡めた立ち回り
ドヒドイデと他の回復技を持ったポケモンが入った時点でお約束感はあるが、毒を入れることでダメージレースで優位になる他、回復技を連打することで相手は沈む。原案のナットレイが築いた毒サイクルの系譜をドヒドイデが受け継いでいる。
★ 積み展開への移行
サイクルの中で隙を見て積むことで崩しを狙いにいったり、サンダーの起点作成から積みエースに繋げるといった動きが可能。
攻めサイクルや受けサイクルだけでなく積み展開もできたりと立ち回りの幅が広く、使っていて楽しい構築だった。
苦手な相手
パッチラゴン
ガブリアスでやんわり対処する程度に考えていたが、「すなかき」の個体がやってきてしまった時は毛根が朽ち果てた。一度しか遭遇しなかったのでホッとしている。
マタドガス(ガラル)
明確に有利と呼べるポケモンがおらず、対面で抜群を突かれるか状態異常を振り撒かれてしまう。毒を入れられる覚悟でサンダーやポリゴン2を投げていたらまだマシだったかもしれない。「かがくへんかガス」の印象が根強く筆者自身すっかり頭から抜け落ちてしまっていたが、「ふゆう」によってガブリアスのメインウェポンがどちらも無効化されてしまうのが厄介極まりなかった。
偉い人はしっかりと裏にウーラオス受けを用意していた上、サイクル戦になるとウーラオスへの交代読みで「じしん」を打たれがちなので厳しかった。ならばポリゴン2でいけるだろうと思っていたら、まさかの「じわれ」が飛んできたので家の天井を突き破ってロケットの如く宇宙の果てへ旅立った。
以下省略。構築単位でエスパータイプ全般が重い。
後書き
正直な話もっと上を目指したかったので結果には満足していませんが、普段のランクバトルでは味わえないような貴重な機会であったので記録として残すことにしました。硬派のサイクル戦ができてルールとしては凄く楽しかったのですが、私の場合は運が絡む試合がとても多く上振れと下振れの連続でひたすら一喜一憂していましたね…。今回のような面白そうなルールの大会が開催されたら是非また参加したいです。マッチングした方々、ここまで読んでくださった方々ありがとうございました。
【剣盾S15 シングル】サンダーオーガSPLASH!!【最終782位】
レンタルを公開していますのでご自由にお使いください。
構築経緯
❶
有利対面からカイオーガ@こだわりスカーフの超火力を押し付ける動きがシンプルでありながら強力であると感じ、これを軸にして構築を組み始めた。
❷
メタが激しいカイオーガを通す上で安定した【クッション+対面操作】が必須であると考え、カイオーガが苦手とするゴリランダーやナットレイ等に対して強く、一緒に選出して最も相性が良いと感じたサンダー@オボンのみを採用。シリーズ7から存在している【サンダー+ウオノラゴン】の並びを倣った形となった。
❸
このままでは相手のレジエレキとゼルネアスによって為す術もなく破壊されてしまう為、これらの対処を1枠で担えるドリュウズ@とつげきチョッキを採用。
❹
サンダーの他に【クッション+対面操作】を行える枠が欲しいと感じた為、これらの条件を満たしながら日食ネクロズマや黒バドレックスに対する引き先となれるブラッキー@たべのこしを採用。
❺
カイオーガが通りにくいラッキー入りの構築等に対して通す物理エースがいるとより対応範囲が広がると考え、エースバーン@いのちのたまを採用。ムゲンダイナに対する打点となる「しねんのずつき」を搭載した型としていた。
❻
相手のカイオーガやムゲンダイナに対する引き先となれる枠が欲しいと感じた他、こちらのカイオーガが相手のメタモンにコピーされた際の切り返しを用意しないとあっけなく崩壊してしまうと考え、特殊型に対して幅広く役割を持てるラッキー@しんかのきせきを採用した。
❼ →
エースバーンの物理エースとしての活躍は申し分なかったが、初速の段階でムゲンダイナの先手を取れないケースが多発する点が安定した立ち回りを望めないのではないかと感じた。その代わりとしてムゲンダイナ以上の速さを持ち、「りゅうのまい」による崩し、全抜きを狙えるドラパルト@いのちのたまに変更。
❽ →
勝てないわけではないが相も変わらずラプラスや時折当たるトリトドンに対して頭を抱えていた中、終盤以降数を増やしていたガマゲロゲ入りの構築に対する勝率が著しく悪く、レートが伸び悩む大きな要因であると感じた。そこで選出率の低かったラッキーに目を付け、この枠はガマゲロゲやラプラス、カイオーガをはじめとした水タイプ全体に対して強い圧力をかけながらスムーズな処理を狙える強さを評価し、最終日にゴリランダー@こだわりハチマキを新たに採用した。
最終的にこのような並びで構築の完成形となった。
コンセプト
★ 対面操作 × 超火力サイクル
個別紹介
カイオーガ
本構築の始点。上から縛る範囲を増やしつつ有利対面から超火力を押し付ける至ってシンプルな型。最速黒バドレックスまで追い抜く為"最速"で確定。本心としては意外と火力のリーチがギリギリ不足しているケースがそれなりに多かった為「ひかえめ」にしたいところである。
ラプラス入りの構築に対しても積極的に選出しており、水技は無効化されても「かみなり」「ダイサンダー」は通る為、そう簡単に止まることは無い。また、交代読みで打った「かみなり」が後投げされたラプラスに対してヒットすると、EASY WINを獲得しやすい。
カイオーガを使用する上で気を付けるべきだと感じたポイントは以下の4点。
・自分より速い「こだわりスカーフ」持ち
・対面からの先制技による「しおふき」の威力減少
・相手のダイマックス(以下 : DM)によって攻撃を耐えられ、反撃を受けてしまう展開
・その他の見えにくいカイオーガ対策
今作は特にDMという要素がカイオーガの一貫を作りにくい要因となっているが、逆にカイオーガ側も技の拘りを解除しつつ、HPが削れた状態でも威力150の「ダイストリーム」を打てる為、一概にDM環境が向かい風であるとは言い難い。
やることは単純でありながらも立ち回り方はかなり難しく、メタが激しいことから動かしにくさを強く感じた。それでも一貫を作った際の制圧力は凄まじく、まさしく禁伝に相応しい強さであった。
サンダー
本構築の潤滑油。初手の偵察係として投げやすく、「ボルトチェンジ」から裏のポケモンに繋ぐ他、クッションとしての役割もこなすのが主な使い方となっている。カイオーガと組ませることで自然と「ぼうふう」を必中で当てられる点が地味に嬉しい。
「とんぼがえり」を採用するとカバルドンやランドロス等の地面タイプに対しても対面操作が可能となるが、それ以上にナットレイの処理速度向上を重視し「ねっぷう」を採用した。ザシアンに対する打点となるのも良い所。
特性はブラッキーとの兼ね合いを考慮した「プレッシャー」ではなく、ザシアンやウーラオス等に対して麻痺によって得られるアドバンテージが非常に大きいと感じた為「せいでんき」とした。
流行りの【ラプラス+ザシアン】の並びに対しても積極的に選出し、初手にラプラスとかち合った際にはサンダーの持つ圧力を利用することで相手のDMを誘発させ、裏のブラッキー(orラッキー)でDM、壁ターンを枯らす動きを何度も行った。
イベルタルやラプラスに対してあまり強い型ではないのが玉に瑕であったが、数多くの試合で選出しては縁の下の力持ちとして大活躍してくれた。
ドリュウズ
お馴染みの必殺仕事人。本環境は全対応が難しく、無理な相手に対して3割の勝ち筋を持てることから「つのドリル」を一時期は採用していたが、壁を張られた際の対ゼルネアスで打ち負けるケースが気になった為、これらの展開を崩せる「かわらわり」を搭載した。ゼルネアスと壁展開の同居率が非常に高いことから一貫して崩せる機会が多く、そのまま勝ちに直結していた。
選出率自体はそれほど高くなかったが、本構築の補完として完璧な役割を持っている偉い子である。
ゴリランダー
※ キョダイマックス個体
【調整】
H : 余り
A : 特化
B < D :「ダウンロード」対策、カイオーガ意識
最終日に急遽投入。対面操作から繋ぐ超火力アタッカー、スイーパーとして新たに名乗りを上げたゴリラである。
火力枠として扱えるだけではなく、カイオーガの無償着地を狙える「とんぼがえり」を搭載することで自身が潤滑油となる動きも可能とした。この技を考慮されるケースが起こりにくかった為、明らかに相手の交代が見える盤面でこちらも相手の交代を読んで対面操作を行い、試合の主導権を維持する立ち回りが強力。
ゴリランダーを組み込んで以降は選出の幅が大きく広がったので、変更したのは間違いではなかったと感じた。 その反面、カイオーガに対する立ち回りが有限となった部分には注意が必要であった。
ブラッキー
本構築第2の潤滑油としての役割を持つ、至って普通のブラッキー。「あくび」による対面操作が非常に優秀であるが、採用に至った一番の決め手は「ねがいごと」によってHPが削れた味方の再展開を狙える、即ち「しおふき」を駆使するカイオーガをより強く動かせられると考えたところにある。
日食ネクロズマと黒バドレックス入りの構築に対してはほぼ毎回選出しており、黒バドレックスは一定数「ドレインキッス」を搭載した個体が存在していたことから絶対安定とはならなかったが、日食ネクロズマに対しては高い勝率をキープできた。
これは編成した後になってから気付いたことであるが、後述するドラパルトが相手のメタモンにコピーされた際の切り返しとしての働きもこなせる。
この子で試合展開をコントロールする様がとても楽しく、筆者の手によく馴染む性能であった。
ドラパルト
ムゲンダイナ絶対許さないウーマン。受け回しに対してもドラパルトを選出する意図があったので、火力を重視して性格は「いじっぱり」で採用したかったが、初速の段階で最速ムゲンダイナに先手を取られないことを意識して「ようき」とし、構築で重いウオノラゴンも考慮できる"最速"での運用。受け回しに対してはドラパルトで1体倒した後、裏のブラッキーでTODを行う機会が非常に多かった。
初手にムゲンダイナと対面した際、何故か殆どの相手がそのまま居座る展開ばかりで、何事もなく普通に「ダイドラグーン」が通って一撃で葬る展開が数多く発生していた。あまりにも居座られてばかりなので択回避の「みがわり」を置くことなく初手ダイマックス、からのEASY WlNとなる試合も少なくなかった。ドラパルト自身の型の豊富さから成し得る読まれにくさがあったからなのだろうか、はたまた普通に攻撃を耐えると思われていたか。
「みがわり」を搭載した意図としては、本構築に対してほぼ確実に選出されるラッキーに対して「でんじは」「あまえる」を遮断しながらドラパルト単体でラッキーの起点化を狙える為である。その他にも高い素早さを活かして相手のDMターンを枯らせる動きをとれたり、DMを切るか否か等の択を先延ばしにできたりと様々な場面で役立った。
他の選択肢として「ふいうち」は黒バドレックスに対して初速の段階で上からの縛りが可能となるので、そちらを採用してみても良いだろう。受け回しを相手にする際たまに見掛けるエアームドに対してDMを切らずに打てる安定した打点が欲しいとも感じたので、弱点を付ける特殊技にするのも手であろうか。しかしながら「てっぺき」を積まれる前であれば【りゅうのまい→ダイホロウ】でのゴリ押しが通りやすい為、前述した通り「みがわり」を切るとラッキーの完封が不可能になる点を重視し、変更には至らず。
特性「すりぬけ」は環境に蔓延っていた壁展開を強く意識しての選択。実際の対戦では活きなかったが、「みがわり」を搭載した個体が多いジガルデにも刺さりやすい。
天敵であるポリゴン2が減少傾向にあったことはドラパルトにとってかなりの追い風であり、エースとして最高の活躍を見せてくれた。
おまけ
ラッキー
【調整】
HD : 特化、性格無補正「こだわりメガネ」持ちカイオーガの雨「しおふき(150)」確定2耐え
最終日まで構築にいたピンクの悪魔。BD特化にしてみたり、「みがわり」を試しに組み込んだ際はSに割いてみたりと努力値配分に関しては何度か試行錯誤を重ねたが、「こだわりメガネ」を所持したカイオーガが受かっていない点に気が付いて以降はこのような配分となった。HD特化にしても相手が「ひかえめ」であった場合は乱数になってしまう為、かなり際どいラインである。
構想の段階ではカイオーガやムゲンダイナといった特殊全般を受ける役割として考えていたが、数の少ない禁伝を除き実際にはカイオーガ入りの構築くらいにしか選出しておらず、ムゲンダイナ入りの構築に対しては【ドラパルト+ブラッキー】で対応するケースが殆どでラッキーが受け出す機会は無かったりと、当初の考えとは違う形となっていた。また、ディアルガやホワイトキュレム等といった特殊主体の禁伝相手には無類の強さを誇っていたが、それほど数が多いわけではなかったことを踏まえ、ゴリランダーと交代する際にこれらの対処は切り気味に動く方向で考えることにした。
技構成に関しては「ちきゅうなげ」「タマゴうみ」までは確定とし、3枠目はカイオーガの圏内に押し込みやすくなる他、ブラッキーの「あくび」とのシナジーが良い「ステルスロック」を搭載。4枠目は「あまえる」「みがわり」と試行錯誤の末、最終的にはエースの蘇生を狙える要素が他のポケモンとの相性が良いと考え「いやしのねがい」に辿り着いた。
「あまえる」を切ると物理型の積みエースに格好の餌とされてしまうし、「みがわり」を切るとラプラスにやりたい放題されてしまう為、筆者だけ技スペースを5枠以上で使いたいくらいである。
ブラッキーと併せて"ダブルラッキー"の並びを作っていた、構築の密かなオシャレ要員。(?)
要点
★ 対面操作を駆使し、有利対面からカイオーガを通す
or or →
本構築の基本となる動かし方。相手を見て誰を初手から展開するか柔軟に決めた上で、サイクルを回しながらカイオーガが一貫する場作りを目指す。その際にカイオーガの体力管理には特に気を遣う必要がある。
一番多かった選出パターン
苦手な相手
パッと見重くないように見えるかもしれないが、意外と伝説ポケモンの中だと厳しい寄りの相手。カイオーガで突っ張る際は相手の「ふいうち」による大打撃には気を付けたい他、DM同士の打ち合いとなればカイオーガ側が勝てるか大分怪しいラインである。先にDMを切らせてから如何に切り返せるかが重要な攻略ポイント。終盤ある程度数を減らしていたのが救い。
見掛ける頻度は少なめなポケモンだが、マッチングした際はいずれの試合も敗北した。ドリュウズがタイプ上有利ではあるが、持ち前の数値と併せて「ダイドラグーン」によってゴリ押されがち。DMを切られてはブラッキーでの誤魔化しも効きにくいのが難点。
サンダー
ラッキーの枠をゴリランダーに変更して以降の被選出率が極端に上がった。不意に来る「こだわりスカーフ」持ちによってカイオーガが削られてしまったり、Sを上げられてしまうとカイオーガに先制して電気技や「かいでんぱ」を打たれる展開が厳しくなる為、DMを切られた際はブラッキーで一旦流す動きが攻略の鍵となっていた。【雨+ドリュウズ】やドラパルト等で対処は効くが普通に厄介といった枠。
ウーラオス
「こだわりハチマキ」を持った型であるとサンダーでも受けが厳しい上に、連撃の型に関してはこちらの雨にタダ乗りされた「すいりゅうれんだ」が手痛い攻撃となってしまう。
& etc… バトン展開
阻止する明確な手段を持たない為、展開を許した際は為す術もなく負けるケースが殆ど。
成績
TN どそ 最高レート 193×前後
最終レート 1898 最終782位
後書き
前シーズンで長く目標としていた最終3桁を初めて達成した自分は次にレート2000を達成するという目標を立て、ポケモン勝負に明け暮れる日々を送っていました。正直満足のいく結果とは言えませんが、最終日付近にレートを大きく溶かして以降なかなか勝ち切れずにいたことに加え体力的な面を考慮し、今シーズンは中途半端な位置でありながらもギブアップという形を取りました。己の実力不足を痛烈に感じさせられましたが、それでも今月は上位帯で多くの強者と戦えたことは非常に光栄なことであり、膨大な経験値となったことは間違いないと言えるシーズンでした。また改めて勉強し直して精進します。今シーズン対戦してくださった方々、ここまで読んでくださった全ての皆様に感謝致します。ありがとうございました。
【剣盾S14 シングル】毒撒き棘玉とまんまるマスコットたち【最終701位】
構築経緯
①
環境トップであるサンダー、エースバーンに対して「こだわりスカーフ」を持った連撃ウーラオス+霊獣ボルトロスの"並び"が高い汎用性を持って扱えるのではないかと考え、この2体をメインにして構築を組み始めた。
②
この2体で重めなドラパルトに対して強く出られる上、霊獣ボルトロスと併せてサンダーを比較的安定して対処することが可能なポリゴン2を採用。
③
サイクルを回す中で苦手なエースバーン、ゴリランダーに対して安定した引き先となれるカイリューを採用。
④
ここまでやや重めなカバルドンやカプ・レヒレに対して圧をかけられ、受け構築に対する崩しとして動かせるカミツルギを採用。
⑤
最後にこのままだと相手の積みアタッカーに為す術もなく破壊されてしまうため、ストッパーになりつつ対面選出を担え、誤魔化せる範囲が広く汎用性の高いミミッキュを採用して一旦の並びが出来上がった。
⑥ →
ある程度の試合数を重ねているとカミツルギの選出率が異様に低いことに気が付き、本構築に組み込むには適していないのではないかと感じた。そこでカミツルギ同様にカバルドン、カプ・レヒレに対して圧力をかけられて崩し役も担える他、最低限のサイクル性能を持っている点からカミツルギの枠にゴリランダーを新たに採用した。
⑦ →
この状態でも未だにカプ・レヒレ入りの構築や、ポリゴン2入りの構築に対するサイクルが不安定である点が気掛かりであった。この問題を解決しつつ他のポケモンに崩し役を任せる形をとして、ゴリランダーの枠をナットレイに変更。
各ポケモンの型に微調整を重ねた上で、最終的にこのような並びで構築が完成した。
コンセプト
★ 幅広い相手に対応できるサイクルと崩しの両立
★ ダイマックス前提のポケモンを作らず、試合展開に応じて柔軟にダイマックスを使用する
★ 相手のポケモンに対してなるべく複数の処理ルートを用意し、選択肢の幅を広げる
個別紹介
ミミッキュ
実は珠ミミッキュを筆者が使用したのは剣盾環境が開始してから今シーズンが初めてのことであった。クレセリア、ラティアス等のエスパータイプを相手してもらったり、サイクルを回した後の詰め筋として使う他、止めるのが困難な相手のダイマックスエースに対するストッパーとして活躍したりと、あらゆる場面において本構築の穴を1匹でしっかりとカバーしてくれていた。
本個体は火力を重視して性格は「いじっぱり」を採用しているが、ミラーを強く意識しないのであれば困る場面は特になかった。強いて言うなら最速カプ・レヒレに先制を許してしまう点くらい。
シンプルに使いやすく強かった。…が、使い始めたてのシーズン序盤で筆者の使い方がなっておらずガブリアス相手に対面負けたりしていた。申し訳ない。
連撃ウーラオス
※非キョダイマックス個体
構築の始点。ボルトロスと同居させることで最近の環境で流行していた「ボルトラオス」の並びを匂わせつつ、後述する本命の「カイリュー+ポリゴン2+ナットレイ(以下 カイリューポリナット)」の並びを悟られないようにする狙いがあった。
元々メインの戦術であったボルトロスとの攻めサイクルを遂行していた頃の名残で持ち物は「こだわりスカーフ」となっているが、初手に投げて「とんぼがえり」から始動する役割を任せつつ構築単位で重いフェローチェに対して強く動かせるよう、型の変更には至らなかった。
性格は火力増強とダイマックス状態のエースバーンへの「すいりゅうれんだ」の乱数を意識して「いじっぱり」としたが、最速スカーフカプ・レヒレやダイマックス時に最速ミミッキュに上をとられてしまう点が少し気になった。それに加えて、よりフェローチェとの素早さ関係を強く意識するのであれば「ようき」にするのも一考の余地あり。
初手にカプ・レヒレと対面した際は相手の最速スカーフである線をケアしつつ、相手に型を推測されてしまわないよう素引きを徹底していた。
この枠はウーラオス同様にフェローチェやブリザポスの対策となり、同時に状態異常を遮断できるカプ・レヒレを候補として考えたが、後述するナットレイの型とシナジーが悪いことから今回は採用を見送った。
相手にスカーフ持ちであることが読まれやすく、不意に来る自分より速いスカーフ持ちに屠られたりと終始動かしにくさを感じていたが、それでもシーズン序盤から最後まで構築から外れることなく活躍してくれた。圧倒的感謝。
霊獣ボルトロス
構築の始点その2。電気と地面の一貫を切れる優秀なタイプと特性で、何よりも最近のサンダーがよく使う「かいでんぱ」が無効である点が非常に強い。当初は「こだわりメガネ」を持たせて運用していたが、構築全体でカバルドンやラグラージ等の「あくび」展開に対する明確な耐性を用意していなかった点と、受け構築に対して技を拘っている状態では崩しにくいと感じ、「ラムのみ」を持たせて「わるだくみ」を搭載した型に変更した。
攻撃技はメインウェポンである「10まんボルト」、カバルドンやラグラージ、ヌオーへの打点となる「くさむすび」、命中不安の為あまり採用したくはなかったが、ラッキーやハピナス等で止まらないよう「きあいだま」としている。
サンダーやウーラオスに先制をとれるよう最速としており、この配分のお陰で拾えた試合も多くあった。しかしながら元の耐久が決して高いポケモンではないので、対サンダーでより安定しつつ本来の役割対象へより適した配分となるよう更に耐久へ、もしくは火力に努力値を割いても良かったかもしれない。
本シーズン終盤での大事な場面で「きあいだま」を外すことは殆どなく、本当によく頑張ってくれた。
ナットレイ
※S個体値 0
毒撒き棘玉。本構築のメイン戦術を大幅に一変させた上で「カイリューポリナット」の並びを確立させた中核である。この型の採用に至った経緯については、カイリューの型を構築記事から模索していたところ「どくどく」を搭載したナットレイと組み合わせた「カイリューナット」の並びを使用していた方の記事から着想を得た。
この「どくどく」による負荷でサイクル下のダメージレースを優位に進められるようになり、後述するポリゴン2、カイリューに懸念されていた火力不足を見事に補ってくれた。相手のポリゴン2等の高耐久ポケモンを崩すだけに留まらず、後投げされるサンダーに対しても毒を刺すことでこちらのポリゴン2と併せて粘り勝ちを狙えるようになった。「ねっぷう」を持たないサンダーに対してはナットレイ単体で詰ませることも可能である。
よりダメージレースを優位に進められる「ステルスロック」が欲しいと思うこともあったが、それ以上にメインウェポンでありミミッキュへの打点となる「ジャイロボール」、一番外す理由が無い「やどりぎのタネ」、定数ダメージ稼ぎやHP管理、相手のダイマックスを枯らせる「まもる」と、このようにどれも必要不可欠な技であったことから変更の余地は無いと思っている。
カプ・レヒレやポリゴン2といった特殊攻撃をメインとするポケモンに対して後投げする頻度が高いと想定し、努力値配分は当初からHDで運用していた。サンダーに対して居座り続ける際の負担を軽減できたり、たまに「ねっぷう」を耐えて無理やり毒を刺すこともできたりする。これまでよく使っていたHBと同じような感覚で物理技に対して後投げすると、思っていた以上にHPが削れてしまう点には注意が必要であった。
「みがわり」を持つ相手に対して無限に隙を見せてしまう点を除いては本当に強かった。この型のナットレイを採用して以降は順位がみるみる上昇していき、構築の完成度を高めることに直結したと感じている。
本来不利とされる相手に対してもサイクルの中で強い負担を与えることの重要性を大いに学べるポケモンであった。
ポリゴン2
【調整】
B < D (ダウンロード対策)
S : 同族意識 麻痺状態の最速ミミッキュ、最速ウーラオス抜き
まんまるマスコットその1。最終日直前に特性を「アナライズ」から「トレース」に変更。変更に至った意図としてはランドロスやカイリューに対して後投げする機会が非常に多かった点と、一番の理由は構築単位で重めであったヒードランに対して後投げし「もらいび」をコピーした上で「マグマストーム」のバインド効果によるサイクル崩壊を防ぐ為である。実際この変更によってヒードラン入りの構築に対しての勝利に貢献していた。
ドラパルト、ランドロス、カイリュー入りの構築には積極的に選出しており、その他には前述したナットレイの「どくどく」と併せてサンダーやポリゴン2等を受ける役割を担いつつ優位に立ち回っていた。あらゆるドラパルトの型に対応が効きやすい理由を第一に、幅広い相手を見るべく両受けが可能な努力値配分としている。
技構成に関してはこの組み合わせのまま今シーズンを通して使用していた。「ほうでん」は前述したナットレイとの相性が悪いが、毒を入れたい相手に対しては極力打たないことを心掛けていた。ミミッキュに対しては「ほうでん」から入ることによって麻痺を狙いつつ「アッキのみ」を発動させずに、その後は「イカサマ」による削りを行う立ち回りを徹底していた。その他にもドリュウズといった「つるぎのまい」等で崩そうとする相手が多く存在しており、そんな時に「イカサマ」がとことん刺さることから今環境においてかなり入れ得な技であると感じた。
運勝ちを狙えたり詰め筋として強力でありと最高のポケモンであった。
カイリュー
まんまるマスコットその2。エースバーンが存在する環境下で安定したサイクルを回せるという筆者が追い求めていた神のような存在。元々は「りゅうのまい」を採用した物理型で運用していたが、カミツルギの処理を迅速に行いたかった点と「てっぺき」を所持したナットレイの処理にもたつくことが無いよう特殊型に変更。実際この変更によってカミツルギとの撃ち合いをスピーディーに終わらせられたり、物理型であると誤認して立ち回ってきた相手に対してeasy winを拾う試合も多かった。ひとつの型として見て竜舞型と比較するとカイリューの性能を落としているように感じるが、前述したナットレイの毒と組み合わせることによって「はねやすめ」を絡めた詰め筋としてより強く動かせることを実現できた。
攻撃技はウーラオスやバシャーモへの打点でありダイジェットの媒体となる「エアスラッシュ」、ナットレイやカミツルギを強く意識した「かえんほうしゃ」、サンダーやランドロスに打てる「れいとうビーム」としている。ヒードランやウツロイドを意識した「じしん」を採用するのも視野に入れたが、変更する余地は無いと考え採用には至らなかった。
カイリューは前期からずっと使用していたポケモンであったが、「れいとうパンチ」を搭載したウーラオスが増加傾向であったことを含めて今期は特にマークが厳しいと感じていた。とはいえウーラオスがダイマックスを使用して「ダイアイス」を打つ展開や技を拘っているケースが多かったので、ある程度はプレイングでカバーしていた。
エースバーンの「ダイナックル」に対して後投げすると、その後の「ダイアタック(威力150)」が受からない点には注意が必要。その点を除いては対エースバーンにおいて最強のポケモンであった。
要点
★ 高い耐久力を持ったポケモン達による受けサイクル "カイリューポリナット"
本構築は基本的に決まった選出パターンは定めておらず柔軟に決める方向性であるが、こちらの3体による対応範囲が非常に広く、選出した機会が多くあったことから自然とこの並びが出来上がっていた。全体的に持ち合わせている火力自体は高くない為、サイクルを回していく中でナットレイの「どくどく」を隙を見て絡めることが勝利を目指す上で重要なポイントとなっている。長期戦になりそうな場合等、相手によっては最優先で毒を撒くケースもある。最終的にはダメージレースに打ち勝つ、もしくは毒や回復による詰ませの展開を目指していく。基本的に誰を初手に置いても展開を作りやすい並びとなっているので、初手に選出されそうなポケモンを予想した上でこちらが誰を初手に置くかを選択する。
★ プランを複数用意し、選択肢の多様化を目指す
←
←
主に環境トップのポケモンに対して、
「○○は刺さっていないけど◇◇の為に出さなければならない」
といったように選出が窮屈となってしまうケースの多発を極力減らすことによって選出幅の増加、及び選出択の減少を目指していた。しかしながら筆者があまりにもカイリューを信用し過ぎているが故にエースバーンに対しては大体カイリューを選出していたし、サンダーにも普通に負ける時は負ける。この理論をどう上手に実行できるかが筆者の今後への課題であり、構築作りに奮闘する未来の自分へ送るメッセージでもあるのだ。
苦手なポケモン
誰一人として受かっていない。大体初手に選出されるのでウーラオスを合わせて対面有利をとっていけるが、相手の控えにサンダーがいると麻痺のリスクもあって非常に立ち回りにくい。
パッチラゴン
タイプの一貫は切っていたとしても簡単に止められるポケモンではないので対処が非常に厳しく、下手したら3タテも起こりうるので常に気が抜けない相手である。ポリゴン2でダイマックスを合わせるかミミッキュでストップをかけたい。
このポケモンがいると選出が歪まされやすいと感じた1体。壁張りとセットで出されると特に苦しい。ミミッキュかポリゴン2でどうにか気合で処理したり、対面で殴って裏のポケモンの圏内に入れる等をしたいところ。
ピクシー
ほぼ対策は切っていたが、あらゆる型を考慮するとなれば対処の仕方が非常に難しい相手である。ミミッキュで殴り合うか特性が「てんねん」である願望を込めてナットレイの毒を入れるかポリゴン2を合わせることで誤魔化していた。このような立ち回りを行った上で特性が「マジックガード」であった場合はもれなく試合が終了するが、幸いなことにナットレイを合わせた相手は「てんねん」である個体としか遭遇せず、炎技を打たれることもなかった。
個体数は少なかったのでこちらも対策はほぼ切っている。「あくび」や「めいそう」による展開がいずれも厳しい。ナットレイで無理やりダイマックスを切って処理することもあった。筆者が構築を組むと毎回このポケモンが重くなっている気がする。
ミミッキュかウーラオスで対面処理を狙うくらいでしか対処ができない。それ以外のポケモン達はもれなく焼却されるか「わるだくみ」の起点となる。
その他にも苦手なポケモンは存在するが特に目立っていたのはこの辺り。
成績
TN どそ 最高レート 192×〜193×
最終レート 1908 最終701位
後書き
今回のシリーズ7と同じ環境が最後かもしれない今シーズンは特に力を入れて取り組みたいと考えていて、結果は自身初となる最終3桁を達成できて非常に嬉しいものとなりました。
今回組んだ構築は性質上試合が長引きやすい点と、命中不安技を多く採用していることから運負けが発生する頻度が高いものとなっており、下振れた際にはとことん黒星を増やしてしまうといった難点はありました。自分で言うのもなんですが、それを引っ括めても過去のシーズンを含めて一番自信のある構築に仕上げることができたのではないかと思っています。
次なる目標となるレート2000の達成を目指して、今後もポケモンというゲームを楽しんでいきたいと考えております。長くなりましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。